Profile

谷川公子 Koko Tanikawa

ピアニスト / 作曲家 / プロデューサー

5歳より情操教育の一環としてクラシックピアノを習う。楽譜通りに弾くことよりも耳に馴染む音を自分なりにアレンジすることが楽しく、7歳あたりから作曲も始める。音楽は無限の広がりを持つ創造的な趣味として、中学時代からはスポーツに親しみ、高校時代の部活動はテニス。大妻女子大学短期大学部英文科を卒業。三井物産に入社するが、2年後の1982年、人生に開眼し、商社OLから一転して音楽家を志す。いわゆる自分探しの旅で、アメリカ西海岸に滞在中、Death Valley(ネバダ州)の砂漠地帯で啓示を受け、その後の創作活動の根源的なイメージを得る。帰国後、オンリーワンの師を求めて放浪し、1984年に加古隆(ピアニスト・作曲家)に師事。唯一の弟子として5年ほど修行し、1989年に全曲オリジナルによるピアノソロ・リサイタルを開催。
 
環境問題への造詣とニューエイジに培われた感性で、大いなる自然にインスパイアされた作風を確立し今日にいたる。映像的で壮大なスケールの楽曲から詩的な小品まで、美しいメロディーライン、透明感のある音世界で定評があり、演奏活動のほか、映像、演劇、舞踊、アートとのコラボレーションや舞台、CM, 映画などの音楽制作、プロデュースまで幅広く行う。
 
1991年 ファースト・アルバム【AIRE(アイレ)】で全曲オリジナルによるロード・ミュージック、あるいはランドスケープ・ミュージックというコンセプトを鮮烈に打ち出す。アルバムにも参加のチェリスト溝口肇プロデュースによる、東京パーンでの3日間のバレンタインコンサートをきっかけに、ヴィジュアル・アーティストをはじめ、ダンスやヴォイス・パフォーマンスとのコラボレーションにも勢力的に取り組み、自身の主催するユニット【AIRE】を中心にステージ・パフォーマンスは多様化する。
 
1994年より、ギタリスト渡辺香津美が【AIRE】に乱入、以降参加。ベース吉野弘志、尺八・中村明一、フルート中川昌三、パーカッション八尋知洋、海沼正利、クリストファー・ハーディ、など、クラシックからコンテンポラリー、そしてジャズや民族音楽までの時空を縦横無尽に操る演奏家が入れ替わり参加しながら、次第に【AIRE SUPER UNIT】として発展し、そのサウンドスケープは、記譜されたものと、即興的なものとの絶妙なバランスの上に、映像的なストーリーが奏でられるものとなる。西洋音楽を土台としながらも、ニッポンのアイデンティティを醸し出す<間と氣>を感じさせる表現として高く評価される。
 
1997 年よりギタリスト渡辺香津美と公私共にパートナーとしてヒルトップスタジオを設立。日常のすべてにわたる物事を創造的に!というスローガンの下での二人三脚が始まる。自身の創作はもとより、ギタリストKAZUMI の活動全般にわたるクリエイティブ・パートナーとして、音楽のみならず、アルバム・プロデュース、ステージ・ディレクション、スタイリング、イベントのプロデュースに至るまでを手がけ、多忙を極める。

そんな中、ライフスタイルの変容を迫られる出来事として、2008年に乳癌を発症。術後の西洋医学的対処療法を拒み、代替医療に取り組んだ10年に渡る寛解へのプロセスを経て、統合医療、食養生、身体と精神のバランス、自然との共生にいたるまで、心と身体と魂の癒しへと探求を続ける。先人よりの知慧と恩恵に深く感謝し、より良い世界の実現を祈りながら、表現活動もより自然と人と社会に還元できることを志す。
 
【Castle in the Air(谷川公子+渡辺香津美 】は2007年のアルバムリリースとともにデュオでのライブ演奏や映画音楽制作、さらに社会貢献へと、パートナーシップを発揮し、今日に至る。主な活動としては・・・
 
・日向寺太郎監督作品/映画「火垂るの墓〜実写版」2008年、「こどもしょくどう」2019年にて音楽監督&サウンドトラック
・過疎の村を応援するプロジェクト「日本で最も美しい村連合」テーマ曲。
・すべての子どもの未来を応援するプロジェクト「地球子供食堂〜つながりんがリング」テーマ曲と支援活動は2021年にクラウド・ファンディングも成功させ、現在進行中。
 
2015年、エッセイ【こどもの時間】への楽曲提供を機に、ギタリスト村治佳織とのユニット【Koko et Kaoli(ココエカオリ)】も始動。ピアノとギターに詩の朗読で「こどもの時間から始まる旅」シリーズコンサートを展開中。母性やこどもの感性に寄り添った、温かく優しいメッセージが好評を博す。
 
2018年、待望のピアノソロアルバム【First Piano Lesson~はじめてのピアノレッスン】をリリース。翌年、世界配信もスタート。心象風景を映し出す映像的で自然体な作風に、リリカルなピアノタッチが好評。
 
2020年、創作と活動の拠点として信州の森にアトリエを移し、暮らし方も自然との共生を志す。